”本業を通じた社会的価値と経済的価値の同時創造” について書いています。
繰り返しになりますが、私が考えるそのためのステップは以下のとおりです。
① 社会に対する感度を高く保ち、自社が社会から求められるニーズを探る。
② 優先順位を付け、自社が貢献していくニーズを決定する。
③ ②に基づき、社会視点の会社としての大きなビジョンを掲げる。
④ ③に沿って一貫した行動を全社でとる。
⑤ ビジョン達成のために、積極的に社外との連携を進める。
⑥ 情報の開示、社会とのコミュニケーションを積極的にとる。
⑦ 以上のサイクルを定期的にまわす。変化するニーズに応じ、ビジョンも微修正する。
⑧ 可能であれば、モデルケースやルールまで作ってしまう。
前回、④まで書きました。社会視点のビジョンをしっかりと掲げ、全社がそれに沿って一貫した行動をとることの重要性は「極めて大」です。これが出来れば、ブランド価値や利益率の向上に繋がるだけでなく、優秀な人材を集めることもできます。企業とは、人の集まりです。従って、優秀な人材が集まれば、その企業は望ましい好循環を描き始めることができます。
現在の仕事柄、NPO/NGOの方や若い学生さんと話をする機会も少なからずあります。強く感じるところとして、最近の優秀な若者は社会貢献に高い関心を持っています。そして、昔と変わらず安定した企業を求める一方で、その仕事が社会に及ぼす価値をしっかりと考えて企業を選んでいます。
ここまで書いてきて、ふと「3人のレンガ積み職人」という話を思い出しました。話の要点は以下のとおりです。
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とある旅人が、道で出会ったレンガ積みをしている男に質問します。
「何をしているのですか?」
1人目の男はつらそうに答えます。
「見れば分かるだろう。レンガ積みをしているのさ。まったくついてないよ。」
また道を進んでいくと、同じくレンガ積みをしている男に出会います。旅人は尋ねます。
「何をしているのですか?」
男は答えます。
「大きな壁を作っているんだよ。」
旅人のいたわりの言葉に対し、男は答えます。
「この仕事で俺は家族を養っているんだ。だから、大変なんて言ったら罰があたるよ。」
また道を進んでいくと、同じくレンガ積みをしている男に出会います。旅人は尋ねます。
「何をしているのですか?」
男は楽しそうに答えます。
「歴史に残る偉大な大聖堂を作っているのさ。」
旅人のいたわりの言葉に対し、男は答えます。
「大変なことなんてないよ。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払う。素晴らしい仕事さ!!」
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さて、この3人の男では、ゴールとやっていることは全く同じです。しかし、各人が抱いているビジョン(あるいはモチベーション)が全く違います。
あなたなら、ビジョンもなくただ手を動かしているだけの人と一緒に働きたいと思いますか?私なら、自分の仕事が社会のどんな役に立つのかを常に考えている人と一緒に働きたいと思います。
企業が社会視点のビジョンを掲げる、ということも同じではないでしょうか?「自分たちの仕事が社会のどんな役に立っているのか?」を常に考え、明示し、行動している企業の下には、優秀な人材が集まってきます。これは企業にとって、重要なポイントだと思います。
今回はやや脱線し、⑤の解説にいく前に長くなってしまいました。続きは次回。
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