2016年2月7日日曜日

人を育てる場としての祭り

前回、私が、地域のコンテンツ整備のハブの一つを「祭り」と考える理由を書きました。

①コンビニ以上の神社の圧倒的な数 = 一神教の文化にはあり得ない「祭り」の多さ。
②地域の住人、さらには演じる人と見る人とをつなげ、活力を与えてきた「祭り」の歴史とその意義。
③「祭り」を起源とする多くの伝統芸能、さらには「祭り」がもつストーリーのコンテンツとしての可能性。

しかし、あえて中小企業診断士の立場として「祭りだー!」という以上、それに留まらない効果もあると考えています。

それは、人を育てる場としての「祭り」の価値です。

これは、実際に「祭り」を幾度となくプロデュースしてきた知人から聞いた話です。
・やらされ感で「祭り」を手伝いにきていた大学生たちに、思い切って屋台を一つ任せてみた。当然ながら当初は全く売れなかったが、徐々に彼らも、自分たちで様々な販促アイデアを出し、楽しみながら試していくようになった。結果、祭りの最終日には、結構な売上をあげた。完全受け身だった学生たちが、自ら考えて試行錯誤する頼もしい存在に変わっていた。
・正社員と派遣社員の仲が悪く、社内でバラバラだった会社の社員が、地域貢献の一貫で屋台を出した。結果、徐々に社内が一体となり、明るくなり、実際に会社の売上までアップした。
こんな事例が数多くあるそうです。

その方も、「人を育てる場」「一体感を醸成する場」としての「祭り」の価値を強調されていました。ただこれも、実際に祭りの運営に関わっていく過程で、初めて気付いたことだったそうです。

さらに「祭り」には、子どもたちの心を育てる場としての価値もあると考えています。
私が言う「祭り」の目的は「神様にお参りをする」ことです。イベントとは違います。
自然の厳しさのなかで生きていくなかで、日本人は「神(氏神)」を生み出しました。そうした日本人の心を、子どもたちにも教えていくべきではないでしょうか。

地方創生に実際に関わっている方々に、その問題点を聞くと、「人が不足している」と口を揃えて言われます。人と言っても、それは「企画が出来る人」「リーダーとその右腕人材」のことです。

その意味で「祭り」をより上手く活用すれば、その地域にとって、企画が出来る人材を養成する場となりうるのではないでしょうか?また同様に、中小企業にとっても、「祭り」に参加していくことは大きなメリットがあるのではないでしょうか?そんなことを考えます。


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