2016年6月19日日曜日

CSV(Creating Shared Value)って何なの?(その①)

前回「CSVという言葉にこだわりすぎることに益なし」という考えについて書きました。
では、CSVって一体何なんでしょう?今回は、それについて、私なりの解釈も踏まえて解説してみたいと思います。

まず、マイケルE. ポーター教授本人は、何と言っているのでしょう。一番確実な手段は、オリジナルにあたってみることです。


この号に「Creating Shared Value(共通価値の戦略)」として論文が掲載されています。さらに、もっと詳しく知りたければ、2008年1月号に「Strategy and Society(競争優位のCSR戦略)」として、もっと元祖の論文も掲載されています。が、「こんなん読んどる時間などないわ!!」という方向けに、以下で簡単に解説してみたいと思います。

まず以下が、CSVについて説明されるときに、一般的に良く引用される図です。これは、「共通価値の戦略」の論文のなかに出てきます。






















が、引用しといてなんなんですが、正直、これ読んでもモヤッとしていて、いまいち理解できませんよね?そもそもCSRのほうの定義自体も、どんどん変化していっています。ポーター教授がここに整理してくれているCSRの解釈自体、本当にそうなんでしょうか?個人的には、かなり懐疑的です。

ということで、以下では、私の頭の中での勝手な解釈について記載していきます。

まず、CSVとは、
「企業がその本業を通じ、社会課題に貢献しながらしっかりと経済的利益も得て、社会価値と経済価値を共創する」
という定義になります。なので、「Shared ValueのCreating」なのです。それ自体は、別に何ら真新しい考えでもなく、「三方よし」をベースとする日本では普通なことのように思われます。

しかし、忘れてはならないのは、ポーター教授は『競争戦略』の大家だということです。

つまり、ポーター教授の提唱するCSVの主眼は、あくまで自社にとっての収益機会を最大化することです。「社会課題を次のメシの種にしよう」ということです。言い換えると、
「自社を差別化して収益を最大化するための、競争のための経営戦略」
ということになります。別にこの考え方自体はいいのですが、これをCSRと対比しているところに問題があるように思います。

次回は、CSVの定義について、さらに考えていきます。










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