2016年7月23日土曜日

CSV(Creating Shared Value)って何なの?(その⑥)

「CSVって何?」っちゅう話の続きです。

しつこいですが、CSVとは、
『企業がその本業を通じ、社会課題に貢献しながらしっかりと経済的利益も得て、社会価値と経済価値を共創する』
ことであり、
『自社を差別化して収益を最大化するための、競争のための経営戦略』
のことです。

前回は、
『社会課題への貢献を掲げることが、企業活動の大義名分となり、顧客をひきつけるストーリーとなって、自社のファンをつくる』
という、CSVに取り組むうえでの企業側の最大のメリットについて整理しました。

さらに、この大義名分は、顧客以外もひきつけます。
例えば、NGO・NPOや社会起業家。


どうも日本企業は得てして、NGO・NPOなどと手を組むことに抵抗感を持ちがちです。しかし、組むことには、企業にとっても様々なメリットがあります。

① NGO・NPOなどは日々その社会課題と向き合い、現場で汗をかいています。従って、社会課題の実状や解決に向けた効果的なアプローチなど、企業側に不足している知見を与えてくれます。
② 資金面で問題を抱える彼らにとって、企業との協力は大変ありがたいもの。従って、企業側がお願いをしなくても、彼らのほうで積極的に協力関係をPRしてくれます。そしてそれは、確実に企業のファンを増やしてくれます。
③ NGO・NPOや社会起業家と企業のサラリーマンとでは、意識の持ち方も動き方も、全く違います。互いに学べる部分は多いはずです。そして企業にとっては、「課題を自らみつける」「自ら動く」「失敗を恐れない」「あきらめない」といった貴重なスタンスを自社の社員に学ばせることができます。
④ グローバルに活動する有力なNGO・NPOと協力すれば、自社の活動に対する国際的・社会的なお墨付きも得られます(もちろん企業側が真摯に取り組むことが前提です)。

等々。日本にも、素晴らしい志を持つNGO・NPOや社会起業家はたくさんいます。個人的には「地域創生」と「人権課題」に特に関心があるため、この分野で注目しているところを2つほど紹介します。


認定NPO法人「かものはしプロジェクト」
http://www.kamonohashi-project.net/

「かものはしプロジェクト」HPより













「かものはしプロジェクト」は、子どもがだまされて売られてしまう問題を解決するため、「子どもを買う人を逮捕する」「大人に仕事を、子どもに教育を」という2つの方面からの取り組みに、インドやカンボジアで尽力されています。


一般社団法人「エリア・イノベーション・アライアンス」
http://areaia.jp/

「経営からの地域再生・都市再生(木下斉)」HPより















代表理事の木下斉さんは、高校時代から商店街の活性化事業に取り組まれていた社会起業家です。こちらの法人は、「国内外の中心市街地及び農村漁村等の地域活性化に取り組む団体との連携した、地域の自立経営モデルの構築」を事業目的とされ、活動されています。


多くの社会起業家と接してきた方から、以前に伺った話です。
「社会起業家の活動継続率は、(その方が知る限りでは)実は90%以上。一般のベンチャー企業と比べると、異常なほどに高い。彼らは、大義こそ変えないが、手段は平気でガラッと変える。逆に言えば、大きな目標があるので、ツールには全くこだわっていない」

企業が掲げる「大義」に合致し、かつその企業の行動が信頼に足るものであれば、彼らは喜んで企業と協働します。さらに、その強い意志と柔軟性を企業の社員にも注入してくれます。NGO・NPOや社会起業家と協働する意義は、大変大きいと考えます。

長くなってしまいました。続きは次回。



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