地方創生の話を再三にわたって書いている矢先。
新橋駅にて、我が愛すべき故郷である岡山県のPRポスターを大量に目にしました。
その名も「もんげー岡山」。
気合いの入らない桃太郎のアップ画像のポスターと、文字だけのピンクのポスター。
文字だけのほうは「きびだんご買い放題」とか、なんとかかんとか。
【もんげー岡山!】岡山県PRサイトより |
以前から「もんげー岡山」というPRをしていることは知っていました。
が、どうなんでしょう?これって効果出てるんでしょうか?
まず「もんげー」と言うのは、妖怪ウォッチに出てくる愛されキャラ、コマサんとコマじろうの口癖です。そう、子ども向けアニメです。私は小さい子どもがいるので知っていますが、子どもがいない人は恐らく「もんげー」の意味すら分からないのでは?
と言うことは、このPRは家族向け?
でも、妖怪ウォッチ人気に便乗している割に、そこにコマサんはいない。
写っているのは、何だかよく知らない人(桃太郎?)だけ。中途半端感120%です。
※ 調べたら、前野朋哉という岡山県出身の俳優さんだそうです。
さらに、岡山県の何がもんげー(すごいの意味)のか、ポスターを見てもさっぱり分かりません。なんせ、桃太郎の写真と文字しかないので.....。観光PRと言うのはやはり、その土地の価値を伝えてなんぼ、だと思うのですが。
※ その意味では「そうだ京都、行こう。」のキャンペーン広告は、秀逸だと思います。
©JR東海「そうだ 京都、行こう。」 |
そもそも何がもんげーかを語ってすらいないので、誰がターゲットなのかもさっぱり分かりませんでした。変わった広告で目にはつくけれど、恐らく実質的な効果はほとんど生まない、広告会社が好んで作りたがる典型的広告な気がします。折角お金をかける訳ですから、ターゲットを明確にし、そこに効果的な価値を伝える、というマーケティングの基本を考えて欲しかったです。
我が故郷である岡山県の素晴らしさを良く知っているからこそ、「もったいない!!」と心の底から思った次第です。
・同じ県の中に牛窓のような海の綺麗な場所もあれば、蒜山のように山の綺麗な場所もある。
・岡山城に後楽園、雲海に浮かぶ備中松山城、白壁の町で有名な倉敷美観地区、桃太郎伝説ゆかりの吉備津神社や鬼城山、日本名木100選の醍醐桜、全長1200mに及ぶ鍾乳洞である井倉洞等々の名所がある。
・大原美術館では、エル・グレコの「受胎告知」やモネの「睡蓮」等の名作を鑑賞できる。
・桃やマスカットなどのフルーツも豊富で、最近は「津山ホルモンうどん」「日生カキお好み焼き」「えびめし」「蒜山やきそば」等のB級グルメでも有名。
・宮本武蔵、宇喜多秀家(とその妻の豪姫)、山田方谷等々、巷の人気も高い、岡山縁の人物もいる(何気に、かの北条早雲の出自も岡山県と言われています)。
・そして何よりも、日本で一番有名な昔話(桃太郎)の伝説を有する。
コンテンツは豊富です。気候もよく、観光地としての潜在力は高いと思っています。あとは、それをどう料理して伝えるか、です。しかし、東京にいて良く分かるのは、そもそもの岡山県(とその有する価値)の知名度の低さ。一方で、県がお金をかけているのは、価値を全く伝えていないポスター(とPR)。そこに大きなギャップを感じました。
今回のポスターの一件で改めて考えさせられました。やはり、価値の創造が出来るのは、「その土地を真に愛する民間主導の力」ではないでしょうか。
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