2016年3月21日月曜日

地方創生の主体たるDMO

前回は、我が故郷岡山県のPRポスターについての話を書きました。
今も毎朝、JR新橋駅でそのポスターを目にします。
そしていつも思います。「もったいない.......」と。

ずっと地方創生への想いについて綴ってきました。
今回は地方創生を進める主体についての話。ここで、最近良く耳にするのがDMO(Destination Marketing / Management Organization)です。

DMOとは、地域をひとつの集客装置とみたて、観光集客の推進を目的とするプラットフォーム。要は、マーケティングを目的として、その地域の観光マネジメントを一本化する、ということです。

この組織における重要なポイントは、まずは
官民協同の異質な人たちが集まった組織である
ということ。色々な点で、これには大きな意味があります。

まず、イノベーションに不可欠な要素である「多様性」が確保されます。
民間企業の知恵、NPO/NGOの問題意識、行政のネットワーク、観光とは無縁だった地域住民の自由な意見、そうしたものが組み合わさることで、イノベーションは生み出されます。

更に、課題の解決に不可欠な価値の「創造」機能と「分配」機能が結びつけられます。
かのマイケル・ポーターも言っていました。NPO/NGOや行政は「価値の分配」が役割です。従って、問題の特定は出来ても、真の意味での解決までは実現出来ません。真の解決のために、「価値の創造」が出来る主体の関与が必要です。そして、それこそが企業の力です。さらに、地域住民も自分事として関わるようにならなければ、真の地方創生は達成できません。

話が少し逸れますが、以前に国連で働いていたというある方からも聞きました。(一気にグローバルな話になりますが、)深刻な課題を抱える国に行き、国連はその課題を解決しようとします。しかし、解決に向けた芽までは出せても、花までは咲かせられない(真の解決までには至らない)そうです。逆に言えば、国連が芽までは出してくれているので、その芽は企業にとって大きなビジネスチャンスだ、と。

価値を生み出す=お金を稼ぐシステムを確立することで始めて、活動の永続性は担保されます。課題の解決には時間がかかります。重要な社会課題ほどそうです。つまり永続性は、課題解決に不可欠ということです。そして、そうした稼ぐシステムを確立すること=民間企業の存在意義です。しかし、そんなに簡単にシステムが確立できるようなら、そもそも社会課題になってなどいません。従って、そこにはイノベーションも不可欠になってきます。だから「多様性」なのです。

DMOの重要ポイントの一点目だけで、紙幅を費やしました。重要ポイントの二点目は、
顧客、効果、体制まで、徹底的に見える化する
ことです。が、長くなったので、ここはまた次回。


岡山県牛窓の美しい風景
















↓↓↓↓↓ もし気に入ったら、励みになるのでクリックしてみてください。

このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿