2016年8月14日日曜日

CSVという言葉ではなく、社会課題への感度を高めればそれでOK!

「CSVって何?」っちゅう話をずっとしてきました。

繰り返します。CSVとは、
『企業がその本業を通じ、社会課題に貢献しながらしっかりと経済的利益も得て、社会価値と経済価値を共創する』ことであり『自社を差別化して収益を最大化するための、競争のための経営戦略』
のことです。

そして前回は、
『社会課題に対して積極的にビジネスとして取組む企業は、人による差別化を図っていける』
という話をしました。


ポーター教授は「CSVとCSRとは非なるもの」と主張されています。しかし、私は「非なるもの」だとは思いません。確かに、かつての「社会貢献」や「コンプライアンス」にイコールと思われていた頃のCSRとは別物でしょう。しかし、CSRもどんどん進化しています(実際、CSVの元祖のネスレは自社の活動を「進化したCSR」と呼んでいます)。

http://www.csvmedia.net/CSR/1/















・CSR活動が自社に及ぼす効果を指標でしっかりと測ろうという動きがあります。
・自社にとって経済価値も生み出すCSR活動に取り組もうという動きがあります。
・社会性という軸(CSRと経営の融合)、で自社を差別化しようという動きがあります。

つまり、ほぼ同じものを、より社会軸寄りで見ているか、より市場軸寄りで見ているか、という差だけのように思います。「進化したCSR」や「Sustainability経営」と呼ばれているものを、思いっきり競争戦略軸の観点から観れば「CSV」になるのではないでしょうか。

しかし、この程度の差であれば、使い分ける必要(CSVという言葉をあえて使う必要)も無いでしょう。むしろ、余計な混乱を社内に招くだけのように思います(実際、私が知っている企業も大いに混乱しました)。

思い切り市場の軸に寄って社会課題を見るという視点に強く抵抗感を感じる経営者が、日本企業には多いと思います。しかし、これまで当ブログで繰り返し書いてきたように、経済価値を生み出しながら続ける企業活動を主体にしてこそ、社会課題も解決されていきます。


「進化したCSR」のレベルまで経営者の意識を高めることは必要です。社員がCSRを、より経営の中心に近いものとして理解する必要があります。欧州に比べ、日本の多くの企業は、まだまだこのレベルにはありません。

「自社のビジネスは社会の役に立っている」と日本の多くの経営者は言います。しかし、そこで言う社会とは、お客様のことではないでしょうか?広く「社会」という視点がそこには欠けているように思えます。

「自社は寄付をして社会に貢献している」と日本の多くの経営者は言います。しかし、そうした寄付は義務でありコストであると意識されるため、永続性に欠けるのではないでしょうか?経済価値も同時に生み出せる活動にこそ、永続性が伴います。

日本人は高い社会性を有する、と良く言われます。であれば、その社会性をビジネスで最大限に活かしていきましょう。その余地は、まだまだ限りなく大きいです。その意味でも是非、私がこのブログで書いてきている「社会価値と経済価値の同時創造実現のためのステップ」を理解していただきたいと思います。

Good360 HPより













CSVシリーズ、長くなりました。次回は別の話題に触れていこうと思います。


↓↓↓↓↓気に入った記事があればクリックください。

このエントリーをはてなブックマークに追加

↓↓↓↓↓たくさんのブログ記事が集まっています。

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ

0 件のコメント:

コメントを投稿