社格の高い企業になるために、必要なサイクルとは?
前回も書きましたが、私の考えは以下のとおりです。
① 社会視点のビジョンを掲げて共感を集める
② 一貫した行動(商品やサービス等々)を示すことで信頼を得る
③ 社会(地域)とオープンな関係(情報開示、対話等)を築いて一体感を育む
④ ①〜③のサイクルを恒常的にまわしていくことでファンを作る
これ、簡単なようですが、経験上見ていて、結構難しいです。良く見られるパターンは、
・ビジョンが極めて曖昧で、現場の判断軸にならない。
・数年で替わる雇われ社長が、売上と利益ばかりを求める。
・組織が縦割りで、ビジョンなんておかまいなく、バラバラに商品やCMを世に出す。
・社員が社内の狭い世界に生きており、社会から自社がどう見られるかなんて考えない。
・やったらやりっぱなし。そもそも自分たちの行動を見直すことなどしない。
等々。これ、実際に私が見てきたパターンばかりです。
では、一方で「社格」という観点から私が最近注目している企業を、いくつか紹介します。まずは、株式会社日建さん。ここはストレートに「復興、社会貢献、国際貢献」を事業目標に掲げられており、事業(本業)の一つとして、途上国での地雷除去に取り組んでいます。
http://www.nikkenmfg.com/mine/index.html
世界にはまだ1億個を超す地雷が埋まっていると言われており、いまも罪の無い多くの人たちがその被害にあっています。そうした状況のなか、カンボジアでおばあさんに「助けてください」と懇願されたことを機に、採算度外視で地雷除去機の開発に取り組み始めたのが同社。その後、活動を継続させていくためには儲けが必要と考え、いまでは事業として地雷除去に取組んでいます。世界中で既に100台以上の除去機を販売しているとか。
まだこの事業単体では利益をあげられていないようですが、この活動の副次効果として、他の事業の取引に、好影響を及ぼしているようです。さらに何よりも、良い人材を採用することにおいて同社は困ったことが無いとか。多くの中小企業にとって、うらやましい限りかと思います。
同社は「社会の声に応え」「明確なビジョンを掲げ」「そこからぶれない活動を展開」されています。だからこそ、社会から愛され、いまや同社は無くてはならない存在と認識されているのだと思います。しかし、そこに大きな影響を与えているのは、何よりも経営者の強い想いです。特に中小企業においては、経営者が、社会視点の明確なビジョンを持っているかどうかということが、その企業の立ち位置を決めます。
こうした観点も踏まえ、次回、他の注目会社も紹介します。
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