2016年7月9日土曜日

CSV(Creating Shared Value)って何なの?(その④)

引き続き、「CSVって一体何の事?」っちゅう話です。

CSVとは、
『企業がその本業を通じ、社会課題に貢献しながらしっかりと経済的利益も得て、社会価値と経済価値を共創する』
ことであり、
『自社を差別化して収益を最大化するための、競争のための経営戦略』
のことです。

そうです。ポーター教授の言うCSVの胆は、『利益の最大化を目的とした競争戦略』であり、『経営レベルの戦略』である、というところです。では、何故彼はそこまで『高い利益率』にこだわるのでしょうか?

それは、『資本主義において、企業は富を生み出し、それを増殖することのできる唯一の存在である』からです。

多くのNGOやNPOが活動しているにも係らず、社会課題は解決されていません。それどころかむしろ、課題の数は増えてさえいるかもしれません。何故でしょうか?ポーター教授は「彼らは誰かが創出した価値を正しく分配することはできても、価値そのものを生むことはできないから」だと言います。

では、政府の力はどうでしょうか?特に日本では、社会課題を解決するのは政府の役割である、と基本的に信じられています。しかし、世界中の多くの政府は債務に苦しんでいます。肝心の「価値を正しく分配する」という役割を果たすことすら、(日本に限らず)今の政府には厳しい状況です。

社会課題を解決するには、時間と資金が必要です。極めて現実的な話です。つまりは「新たに価値を創造する力なくして、社会課題の本質的な解決ははかれない」ということです。
出典:https://www.greenbiz.com/blog
/2014/06/20/6-steps-implement-csv-your-company













そのために、「儲けが出たときに社会貢献する」といったような消極的スタンスではなく、企業は「社会的な課題のなかに次の事業機会をみつける」という積極的スタンスを持つことが必要だということです。

ポーター教授は、そのための3つの手段(分類)を提唱しています。それが前々回紹介した
① 次世代の製品・サービスの創造
② バリューチェーン全体の生産性の改善
③ 地域生態系の構築
です。でも、「これって結局のところ "事業に係る全て" だよね?」という話もしました。でも、それでいいのです。つまりは、「企業は必ず、本業のどこかで社会課題と結びついている」ということです。

つまりは、
『どんな課題でもビジネスと繋がっていて、ビジネスで解決が出来る!!』
ということです。

何だか話が、社会側のメリットばかりの強調になってきました。次回は、企業側のメリットについて改めて整理してみようと思います。

出典 http://www.gettyimages.co.jp















ちなみに、今世界が抱える社会課題については、以前にもこのブログで紹介したとおり「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」として、国連が纏めてくれています。しかも、その課題を企業がどのように活用するかの指針まで作成してくれています。興味がある方は、以下をどうぞ。
http://ungcjn.org/gc/pdf/SDG_COMPASS_Jpn.pdf


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