2016年5月1日日曜日

社会価値と経済価値の同時創造実現のためのステップ③

”本業を通じた社会的価値と経済的価値の同時創造” について書いています。

私が考えるそのためのステップは以下のとおりです。前回、③まで書きました。
① 社会に対する感度を高く保ち、自社が社会から求められるニーズを探る。
② 優先順位を付け、自社が貢献していくニーズを決定する。
③ ②に基づき、社会視点の会社としての大きなビジョンを掲げる。
④ ③に沿って一貫した行動を全社でとる。
⑤ ビジョン達成のために、積極的に社外との連携を進める。
⑥ 情報の開示、社会とのコミュニケーションを積極的にとる。
⑦ 以上のサイクルを定期的にまわす。変化するニーズに応じ、ビジョンも微修正する。
⑧ 可能であれば、モデルケースやルールまで作ってしまう。

当然ですが、③の【ビジョン】は大変重要です。
適切な社会視点を盛り込んだビジョンであれば、広く社会の共感を得られます。
そしてこうしたビジョンは、上記プロセスの④以下を容易にしうる力を持ちます。
その結果が「ブランド価値向上」「利益率向上」の可能性につながると考えます。

ビジョン作成のプロセスで広く社会の声を聞き、さらに社員の関与も得るべきです。そうすれば、社員はこのビジョンにより高い次元でコミットします(④への影響)。
広く社会の声を聞いたビジョンであれば、社外からの協力も得られます。高い社会性と使命感を持つ傘の下には、自然に多くの社外の人が集います(⑤への影響)。
多くの社外の人との連携がはかられるので、必然的に情報開示も進みます(⑥への影響)。
そうした活動はモデルケースへと発展していく高い可能性を秘めます(⑧への影響)。

プロセスの④以降について、もう少し詳しく書いていきます。

【④ ビジョンに沿って一貫した行動を全社でとる】

これは、コーポレート・ブランドの話と同じです。ビジョン(ブランド)に沿った行動が全社で一貫してとられてはじめて、その会社は信用・信頼を得ることができます。これは一個人の話で考えてみたときに、よく分かると思います。言ったことと実際にやっていることとが違う人は、信用・信頼などされません。

信用・信頼は意外と簡単に壊れます。例えば、昨今の某社の燃費不正の事例や会計不正の事例などは問題外なレベルですが、社員の一人がSNSにした書き込み一つでも、信用・信頼は簡単に失われてしまいます。例えば、実際に店員の書き込みが炎上した某コンビ二や某牛丼チェーンなどは、記憶に新しいところかと思います。

信用・信頼を得ていくうえで、社員一人一人の言動は非常に重要です。「環境に優しい」をビジョンに掲げている会社の社員がゴミのポイ捨てをしていたり、「次世代育成」をビジョンに掲げている会社の社員が子どもにひどい言葉を吐いたりすれば、会社のビジョンに対する信用は失われます。社外の人は良く見て(聞いて)います。そして、SNSが盛んな昨今、情報は一瞬で拡散されます。

また社員一人一人の行動にとどまらず、もちろん「企業として」の行動はより重要です。
あなたの会社は、どんな戦略を策定していますか?
どんなメッセージがホームページには掲載されていますか?
どんな社外用の冊子を作成していますか?
どんな製品・サービスを提供していますか?
アフターサービスはどうなっていますか?

社外との多様なコミュニケーション窓口を整理・管理したうえで、ビジョン(ならびにブランド)に沿った統一された(会社の)顔を見せていくことに最大限注意すべきです。中小企業であっても、そのための担当者(あるいは組織)は設けておくべきだと考えます。

長くなりました。続きはまた次回。

ビジョンとは、北極星のようなもの。「道しるべ」です。















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