2016年5月15日日曜日

社会価値と経済価値の同時創造実現のためのステップ④

引き続き、”本業を通じた社会的価値と経済的価値の同時創造” について書きます。

繰り返しになりますが、私が考えるそのためのステップは以下のとおりです。
① 社会に対する感度を高く保ち、自社が社会から求められるニーズを探る。
② 優先順位を付け、自社が貢献していくニーズを決定する。
③ ②に基づき、社会視点の会社としての大きなビジョンを掲げる。
④ ③に沿って一貫した行動を全社でとる。
⑤ ビジョン達成のために、積極的に社外との連携を進める。
⑥ 情報の開示、社会とのコミュニケーションを積極的にとる。
⑦ 以上のサイクルを定期的にまわす。変化するニーズに応じ、ビジョンも微修正する。
⑧ 可能であれば、モデルケースやルールまで作ってしまう。

前回、脇道に逸れつつ④まで説明しました。本日は、⑤以降について説明します。


【⑤ ビジョン達成のために、積極的に社外との連携を進める】

このステップも大変重要です。
自社が保有している資源だけでビジョンが達成できることなど、まず無いはずです。もし出来るとしたら、そもそもの設定したビジョンが小さすぎる、ということです。小さすぎるビジョンでは、ファンを作れません。社員すらもひきつけられません。一方で、世界平和など、大きすぎるビジョンにも意味はありません。

①と②のステップを丁寧に踏み、ギリギリのレベルの高いビジョンを設定するべきです。そして、その際には、不足する能力を外から補うことを最初から想定しておくべきです。そうすることで、より高いレベルのビジョンを設定できます。

では、具体的に「社外」とは誰のことでしょうか?
それは、自治体であり、学府であり、非営利団体であり、他社であり、個人です。特に非営利団体(NPO/NGO)とは、友好な補完関係を構築できます。彼らはまさに現場にいるので、本当の課題が何で、どんなアプローチが求められているのか、良く理解しています。大きな企業ほどよく、自己満足であまり意味の無い活動にお金を費やしていたりします。従って、企業は彼らから、有効なノウハウを学ぶことができます。一方で企業側は、NPO/NGOの弱点である資金やマンパワーを補うことができます。

得てして多くの日本企業は、NPO/NGOを恐いとか、怪しいとか思いがちです。しかし、パートナーとして信頼に足るNPO/NGOは沢山あります。例えば欧州の社会では、NPO/NGOは企業よりよっぽど信頼を得ています。NPO/NGOの目的は、注力する社会課題を解決することであり、その社会課題に光をあてることです。そのために、信頼に足る企業と判断すれば、喜んで協力するはずです。では、彼らはどこで信頼に足る企業かどうかを判断するのでしょうか?それは、掲げているビジョンであり、ビジョンに沿った一貫した行動、ということになります。


【⑥ 情報の開示、社会とのコミュニケーションを積極的にとる】

もちろんこのステップも大変重要です。
日本では、善行は人に知らせずに密かにするもの、という陰徳の文化があります。しかし、欧州などでは、 "情報を開示しない=何もしていないどころか、むしろ裏で悪いことをしている"と解釈されます。もはや、沈黙は逆効果となるのが、いまのグローバル時代です。

ネットが発達した現代において、もはやあらゆることは隠せなくなっています。それは、ウィキリークスやパナマ文書の事例などからもよく分かると思います。出来ていることはもちろん、出来ていないことも、その理由等含めてしっかりと説明していく。そうした情報の開示も、もはや立派な企業の社会への責任です。


















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